“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
ねぇ、凌?
好きって。
つきあうって。
…こんな感じ?
「悪ィ。
さっきのやつには言い過ぎた」
あたしの手首を痛いほど掴んで。
息がきれるほど全速力で走って。
肩が上下してる状態で、あたしをベッドに押し倒して凌は言う。
「わかってんだよ。
あいつが、遥を心配して送ってくれたことなんか」
凌が言葉を発するたび、髪がサラサラと零れ落ちる。
「オレだって、きっと同じことをすると思うから。
ただ純粋に、女の子を心配して。
文化祭の準備で遅くなった夜道を心配して。
自分にできることはないかを探して。
それであいつが遥を送ってくれたことなんか、百も承知だ」