“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
そう言いながら、苦しそうに顔をしかめ、凌はあたしの肩のあたりに顔を沈めた。


「でも…
でも…。
心がついていかねぇんだ」


沈めた顔をほんのちょっと横に振りながら、


「遥が危ないのは困る。
でも、他の男と一緒にいるところを見るのもたまらない」


凌は悲鳴のような声を絞り出す。


「…不安なんだ」


そしてあたしの顔の横に、ギシ…っと音をたてながら腕を立て、少し身体を持ち上げて、凌は上からあたしを見下ろした。


「嫉妬だって、半端ない」


いつもは涼しげな。
綺麗な凌の瞳は、今はただ苦しそうに、切なそうにあたしを見下ろして。


「つきあえれば。
遥とつきあえれば、苦しい気持ちなんか、感じることないって思ってた」


いつもは凛としたその口元からは、弱音とも言えるような言葉が絞り出される。


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