“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「でも。
そんなの逆で。
たとえばこうして――…」


凌が腕をたたんで、あたしに少し体重をかける。


唇であたしの髪にキスをして、その後耳にキスをして、頬にキスをして、最後にあたしの唇に触れる。


「たとえばこうして。
キスをしたとしても。
次の瞬間には、もう、不安になる」


そう言って凌は、何度も何度もあたしの唇にキスをして。


「そして。
もっともっとしたくなる」


あたしの唇をするりと指で撫でて。


切なそうだった。
苦しそうだった瞳に。


――甘い光を纏わせる。

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