“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
慌てて答えて、ベッドに近寄ると…


「うるせぇよっ!!」


長谷川くんは、今までに聞いたこともないような乱暴な言葉で荒々しく叫び、


「俺に口答えするなっ!!
俺に逆らうなっ!!」


さっきまで読んでいた雑誌を、あたしに投げつけた。


それはあたしの手のあたりにあたって、バサっという音と共に床に落ちた。


その音で、長谷川くんはハッと…正気に戻ったような顔をして、


「…悪い」


小さく口を動かし、ギュッと目をつむってから、


「…凌には…。
会わせたく…ないんだよ…」


弱々しく視線を…彷徨わせた。
< 89 / 641 >

この作品をシェア

pagetop