“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「出来るだろ?」


ギリっとあたしを睨みあげる長谷川くんの瞳に…


「いーや。
そうじゃねぇよな?」


あたしの腕を痛いほど…そして乱暴に手繰り寄せるその仕草に…


「して“当然”だよな?」


その、痛いほどの…強い口調に…


「なんたって。
遥ちゃんは俺の“彼女”なんだから」


あたしは誰も幸せにできていないと感じた。


自分だけ寂しい思いをすればいい…
あたしさえ我慢すれば丸くおさまる。


そんな…


心の奥底の
誰にも見せられない
あたしの汚い部分が…


長谷川くんを、より、寂しくさせた。


それどころか…
あたしは…。
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