“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
side 凌
夏休み。
『大事な用事。
だから来いよ』
征に呼び出された病室で。
「あ。
来た来た。
凌っ!!」
征はいつも通りの…
“あんなこと”なんて何もなかったかのような、華やかな笑みを浮かべ、
「凌、コレ、いる?」
横たわったベッドの上で片手だけをオレに突き出し、指先でつまんだものをそっと揺らした。
言うまでもなく。
征が揺らす“ソレ”は、オレが遥にプレゼントした“あのネックレスと指輪”で。