“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
その無邪気な笑顔の向こうに、邪気を。
その善意だといわんばかりの笑顔の裏に、悪意を。
征がそれとはわからないように笑顔を浮べれば浮べるほど、それを痛切に感じ、それが敵意の粒となって、あられのようにオレの上に降り注ぐ。
そんな征に、どんな言葉を返そうか躊躇した時、
「だから、はい。
コレ、凌にあげる」
楽しそうな征の声が響いた。
オレが遥にプレゼントした“あのネックレスと指輪”を指の先でつまんで揺らす征が、
ソレをオレに“返す”のではなく“あげる”
そう表現したことに、
“あぁ…。
この笑顔は、むしろ、わざとか…”
ようやく―――…気づいた。
その善意だといわんばかりの笑顔の裏に、悪意を。
征がそれとはわからないように笑顔を浮べれば浮べるほど、それを痛切に感じ、それが敵意の粒となって、あられのようにオレの上に降り注ぐ。
そんな征に、どんな言葉を返そうか躊躇した時、
「だから、はい。
コレ、凌にあげる」
楽しそうな征の声が響いた。
オレが遥にプレゼントした“あのネックレスと指輪”を指の先でつまんで揺らす征が、
ソレをオレに“返す”のではなく“あげる”
そう表現したことに、
“あぁ…。
この笑顔は、むしろ、わざとか…”
ようやく―――…気づいた。