クールトラップ【BL】









有り難いことだ。





こんな身よりもない僕に、こんなに優しくしてくれるなんて、どこを探してもあまり見つからないだろう。





そう思うと、心の奥がほんのりと温かくなった。







「ありがとう。大事に食べるよ」





僕はその言葉を残して、翔さんの店を後にした。









ー……






“いつもの場所”に戻ると、翔さんに貰った黄土色の袋を箱の中にしまった。






いつもの場所とは、いつも僕が生活している建物の路地裏の一角のこと。











< 10 / 24 >

この作品をシェア

pagetop