クールトラップ【BL】
ーー…
ポツポツ…
高い高い天井から、冷たい雫が落ちてくる。
北から吹いてくる風は雨と交えて、一層冷たかった。
「寒い…」
一言、呟いて身を縮ませる。
身体が小さく、背も小さい僕は、何もない暗い路地を歩いていた。
頭から伝ってくる雫は、薄着で今にも破れそうな服に湿って、身体にペッタリくっついている。
「ここ…何処だろう?」
狭く暗い路地の周りを見渡し、この場所が何処なのかを調べる。
……くだらない。
こんな場所なんて調べても意味がない。
今、自分がいる場所なんて何処だっていいんだ。