クールトラップ【BL】
翔さんは、僕の両親の知り合いで、僕が一人になったとき一緒に住もうと言ってくれたんだ。
だけど僕は断った。
翔さんは優しくていい人なんだけど、僕はもう、人と深く関わりたくないんだ。
あの日誓った…。
もう、厄介ごとはうんざりだ!
あんなことになるんなら、僕は、僕は……
ー……
「渡が、そういうなら仕方ないが…。ほら、今日の飯分だ!持ってけ」
ドサッと僕の腕に黄土色の袋が渡された。
「こんなに…?」
その袋は今日1日では食べきれないだろう、沢山の食べ物が詰まっていた。
「いいんだって!それ全部持っていけ」
ニカッと笑って、僕の肩に優しさに包まれた手のひらが、ポンポンとおろされる。