クールトラップ【BL】










翔さんは、僕の両親の知り合いで、僕が一人になったとき一緒に住もうと言ってくれたんだ。





だけど僕は断った。




翔さんは優しくていい人なんだけど、僕はもう、人と深く関わりたくないんだ。





あの日誓った…。





もう、厄介ごとはうんざりだ!





あんなことになるんなら、僕は、僕は……




ー……






「渡が、そういうなら仕方ないが…。ほら、今日の飯分だ!持ってけ」





ドサッと僕の腕に黄土色の袋が渡された。





「こんなに…?」





その袋は今日1日では食べきれないだろう、沢山の食べ物が詰まっていた。






「いいんだって!それ全部持っていけ」



ニカッと笑って、僕の肩に優しさに包まれた手のひらが、ポンポンとおろされる。





< 9 / 24 >

この作品をシェア

pagetop