君まで2ステップ
かなり強引に置き去りにされた俺と彼女。
名前…なんだったかな…?
赤平…だっけ?


「俺、場所分かんねぇから教えてほしいんだけど…。」

「あ、うん。こっち!!」


笑顔で案内してくれる彼女。
いつの間にか隣に座っている。


講義は大したことはなくて内容も特に難しいものはなかった。
与えられた問題は一応解く。


「晴輝くん、やっぱりすごくできるんだね。」

「そうでもないけど…別に問題難しくねぇから解けるだけ。」

「え…じゃあここ、教えてくれないかな?」

「ここは…まずこれに代入して…。」

「うん。」

「あとはその答えをこっちに代入する。」



俺なんかじゃなくて先生に聞けよとか思ったけど、まぁ状況から言って先生に聞ける状況じゃねぇし…
俺は正直言って講義なんてどうでも良かった。
だから適当に赤平の相手をする。




彼女に解説しているうちにいつも間にか終わってた講義。
こんな聞く意味のない講義ならもう来なくていい。そう思った。


「おい愁。帰るぞ。」

「えぇーマジで?」

「お前は帰らなくてもいい。俺は帰る。」

「うわっ…じゃあ俺も帰るって!!待てよ!!」



俺は愁を無視して塾の外へと出た。



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