君まで2ステップ
【梨亜side】


せっかく避けてきたっていうのに、晴輝はそんなのお構いなしって感じにエレベーターに乗り込んできた。

またこの状況。
こんな小さいエレベーターに二人っきり…
ってあたしのバカ!!
晴輝は関係ないんだから!!


「なぁ梨亜…。」

「話しかけないで。」

「なに?なんで怒ってんの…?」

「だから怒ってないってば。」

「その口調が怒ってんじゃん?」

「怒ってないってば。」

「じゃあ…。」


そう言って晴輝の右手があたしの顎を捉えた。
くいっと上を向かされる。
無理矢理合うあたしと晴輝の目。


「え…?」

「じゃあちゃんと俺の目見て話してくんね?
目逸らされんの結構きつい。」


「なっ…離しなさいよ!!」


晴輝が触れたところが急激に熱くなる。
もーっ…なんなのよー!!あたしに構わないでよ!!


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