君まで2ステップ
「え…?」

「だから、あたし好きな人が…。」



強気に言うつもりで意気込んで晴輝の顔を見つめた。
すると…あたしの予想していたのとは違いすぎる晴輝の顔が目の前にあった。

さっきまで真剣な眼差しだったのに、今は悲しそうな目であたしを見つめてくる。



「はる…き…?」

「好きなやつ…できたんだ…。」

「うん。」

「そいつ…年上?」

「そうよっ!!年上で背もあたしより全然高くて優しくて…まさに理想の人なのっ!!」

「へぇ…良かったじゃん。」

「でっ…でしょ?」

「じゃ…本格的に見込みねぇってことだ。」

「え…?」

「あ、着いた。
じゃあ、頑張れよ、梨亜。」

「う…ん…。」





いつもならあたしが先に出るまで『開』のボタンを押しててくれるはずの晴輝が、あたしに背中を向けて…すっと出ていった。


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