君まで2ステップ
晴輝が出ていった後に、あたしもそっとエレベーターから降りた。
その瞬間に晴輝の家のドアが閉まった音がした。


あたしも家に戻る。


「ただいまー。」

「おかえり。」

「ママ、あたし夕飯いらない。」

「え…?梨亜…どうしたの?」

「どうもしないけど…食欲ない。」

「あ、ちょっと梨亜っ…。」


ママの言葉を振りきって、あたしは自分の部屋に入ってベッドにダイブする。
そしてクッションをぎゅっと抱きしめた。



「どうして…?」



どうしてあんな顔するの?
どうしてあんなこと言うの?
どうして行っちゃうの…?


「あたし…何思ってんの…?すごい勝手…。」


笑ってしまうくらい勝手なことばっか言ってる、あたし…。

でも、なんだか離れない晴輝のあの表情。


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