君まで2ステップ
「うっわ…最低…。
つーかこんな聞こえるような席に座んなきゃ良かったよな…。」

「ああ。気分悪い。出よう。」

「おぅ…。」




ああいう男じゃ…ねぇんだろ…?梨亜…。
騙されたりとか…してねぇよな…。

そんな不安ばかりが頭に浮かぶ。

梨亜の見る目がないとは思わねぇけど…。
あんな男がはびこる世の中じゃ、梨亜がどんな男に引っかかるかも分からない。



「あんな奴じゃねぇよな…。」

「え?」

「梨亜の相手。
あんな奴じゃねぇよな…?」

「それは…分かんねぇけど…。」

「だ…よな…。」



会ってみなきゃ分かんない。
だけど会えるはずもない。

梨亜にも…
その相手にも…。



「明日バレンタインだっていうのに切ねぇ顔すんなよなー…。」

「無理。」



無理だ。
諦めることも、何もかも、全て。

< 138 / 200 >

この作品をシェア

pagetop