君まで2ステップ
好きなのは梨亜だけ。
それはずっと変わらないし、変わる予定もない。
当の本人は見向きもしてくれないけど。


「お前って…真面目なんだな。」

「愁(シュウ)みたいにチャラくないだけだっつの。」

「俺はチャラいんじゃなくて、俺のかっこよさを周りが放っておかないんだよ。」

「勝手に言ってろ。」


俺はぼーっと窓の外を眺める。

俺は愁みたいにモテたいわけじゃない。
つーか別にモテたくない。

振り向いて欲しいやつは梨亜だけなのに。
全然届きそうにない想いだけが、いつまで経っても俺の中にある。


「なぁ晴輝。」

「んだよ?」

「なんでお前諦めねぇの?」

「なんで諦めなきゃなんねぇの?」

「彼女欲しくね?」

「梨亜じゃなきゃいらない。」

「はぁ…
かっこいいね、お前。
大体よ…お前なんで梨亜さん好きなわけ?」

「あれ、お前に言ってなかったっけ?」

「おー。聞いてねぇよ。」


俺が梨亜を好きになった理由。
それは…もうずっと前…
10年前に遡る。


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