君まで2ステップ
【晴輝side】


ある意味、梨亜を抱きしめたのは俺のカケだった。

拒まれる(突き飛ばされる)可能性99%だ。

拒まれたら(てか突き飛ばされたら)本格的にダメージを喰らう。

もう大分痛手を負ってるだけに、これ以上喰らって自分が大丈夫なのかどうかも少しは不安だけど…。



でも…たとえ何度拒まれても、俺は梨亜を諦められない。
あんな風に泣く梨亜を…抱きしめずにはいられない。


それだけは絶対的で、変えようのない想いだった。





だけど梨亜は俺の予想に反し、俺を突き飛ばしたりはしなかった。

むしろ…少し俺に体重を少し傾けるように寄り添ってきた気がする。



止めどなく泣く梨亜を慰める方法が何も思いつかなくて(というのも予想外の出来事が起こったから)、俺は腕の中の梨亜をぎゅっと強く抱きしめ、背中をぽんぽんと撫でてやることしかできなかった。


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