君まで2ステップ
「あっ…あたし別に鈍くなんか…。」

「鈍いっつの。」



俺は梨亜と少し距離を取り、横を向いた。
俺の動きに合わせて、梨亜も同じように横を向いた。



「あのさ…俺、今からすげー真面目な話するけど聞いてくれる?」

俺は隣の梨亜の顔を見つめた。


「え…真面目な話…?」

梨亜も俺のに向き直って、じっと俺の目を見つめる。


「そう。
すげー真面目な話。
ほとんど、俺の一生の話。」

「一生?なにそれ?どういう意味?」

「俺の今までの人生についてだっつの。」

「晴輝の人生?そんなの知ってるもん。別にいいよ。今更話してくれなくたって…。」

「梨亜の知らない話だよ。」

「え…?あたしの知らない話…?」

「そう。
ずっとずっと想ってたこと…話そうと思って。」

「ずっとずっと…想ってたこと…。」



そう言って俺から視線を外し、ぼーっと遠くを眺める梨亜。



話すよ、全て。

俺の想いの…全て。


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