君まで2ステップ
「りあっ!!」


向こう側からとぼとぼと歩いてくる梨亜。

俺は梨亜の元まで走る。


「りあ!!しんぱいしたよ…」

「はる…きっ…」

「りあ…泣いてるの?」

「…っく…うっ…」


ボロボロと両目から大粒の涙を流す梨亜。

俺は梨亜の目を見つめた。


「りあ…どうしたの?」

「…く……ちゃったのっ…」

「え?」

「よっ…ようパパから…もらった…キーホルダー…
なくしちゃったの…」

「だから…こんなにおそくまでさがしてたの?」

「うん…。」

「じゃあ、ぼくもいっしょにさがすよ。」

「え?」

「ひとりよりふたりでさがしたほうが、はやくみつかるよ!!」

「…うんっ!!」


その瞬間に、梨亜がにっこりと笑ったことだけは今でもはっきり覚えてる。

梨亜が笑ってくれたそのときに…
胸がドキッとしたんだ。

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