君まで2ステップ
「話す機会なんか全然なくて、俺んち来ても梨亜の目には俺なんか1秒も映ってなくて…
それでもどうしても諦められなくて…。
そんな時、エレベーターに閉じ込められた。
正直、寒くて死にそうだったけど…
俺は梨亜と話せたことがすごく…嬉しかった。
他愛もない話でもなんでも、とにかく梨亜が目の前にいて…話せることが、俺には本当に嬉しかったんだ。

ただ、最後にあそこで倒れたのはなんか残念だったけど。
しかもあの後の記憶ねぇし。」

「あの後、はるママとあたしで運んだんだよ…。
主に運んだのははるママだけどね。」

「母さんの力、すげぇな。」

「ねー…あたしも驚いちゃった…」

「あ、で、話を戻すけど…。
その後すげー高熱が続いて最悪なクリスマスを過ごす予定だった俺の前に…
またお前が現れた。
しかも、目が覚めた時、俺、梨亜の手握ってたし。」

「え!?」

「あ…やっぱ俺が寝てるうちにだったんだ…。
てかお前も寝てから…か?って何その顔…。」

「へ?」

「赤すぎんだけど…。
もしかして梨亜から握ってくれた…なんてことは…。」

「ちょーし乗んないでよ!!
そんなこと、有り得るわけないでしょ!?」

「だよなぁ…。分かってるよ。じょーだん。」


ちょっとはそうだったらなーって期待したけど世の中んな甘くねぇよな…。

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