君まで2ステップ
パチッと目が開いた俺。

異変に気付いて目を見開く梨亜。



「っ…ぎゃー!!!!!!」


そんな悲鳴を残して、梨亜はぱっと俺から離れる。
顔は真っ赤だ。



「なっ…なんでこっち向くのよっ!!
あたしは…ほっ…ほっぺに…。
っていうか…あたしの…ファーストキス…。」

「ごめ…だってお前…いつまで経っても殴んないから…。」

「晴輝のこと、殴れるわけないでしょ!?察してよ!!
殴れないから…ほっぺちゅーして、その感覚が本物だから夢なんかじゃないよって…。」



元々これ以上ないだろってくらい赤かったのに、今は最初にも増して真っ赤になっている。



「ファーストキスは…もっとロマンチックな予定だったのに…っ…
事故…とか…。」



俯いたまま、何かブツブツつぶやく梨亜。


あ、なんだかだんだん現実味を帯びてきた。

唇に未だ残る梨亜の感触。

それが夢じゃないことを教えてくれる。

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