君まで2ステップ
* * *


俺は部屋を出て、マンションの自転車置き場へと向かう。
自転車に鍵を突っ込んで、そのまま出そうとした。



「晴輝っ!!」

「え…?梨亜…?」

「はぁ…間に合った…。今日試合なんでしょ?
何、辛気臭い顔してんのよ。そんなんじゃ負けちゃうわよ?」

「…辛気臭い顔で悪かったな。」


俺の気も知らないで…こいつは…。
結局この1ヶ月、俺は梨亜に『好き』とか言われるどころか、あんまり顔を合わせることもなかった。
こんなんで彼氏とか彼女とか…言えんのか?
つーか…俺が梨亜の彼氏?
そこさえ疑問だ。




「仕方ないなぁ…。」

「え?」



梨亜が背伸びをして、俺の首に腕を回して抱きついてきた。
突然のことで、何が何だか分からない。


「え…なっ…梨亜…?」

「晴輝。」




耳元で梨亜の声がする。














「好き。」


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