君まで2ステップ
それだけ言うと、パッと離れる梨亜。




「これ、なーんだ?」

「え?」


梨亜の手にぶら下がっているのは小さい箱みたいなもの。
丁寧にラッピングされてる。


「これ、チョコ。
あたしのチョコが欲しかったら、今日の大会で優勝しなきゃダメなんだからね。」

「へ…?」

「間抜けな顔してないで、早く行きなさいよ!!
ていうか負けるとか絶対許さないからっ!!」

「おっ…おう…。分かってるよ。」

「じゃ、頑張ってね。あたしも陽パパたちと、後で応援しに行くから。」

「…待ってる。」

「行ってらっしゃい。」

「うん。って…え…?」



ほっぺに柔らかい感触と、音が残る。
梨亜が触れたその部分が急激に熱を帯びる。




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