君まで2ステップ
「仕方ねぇだろ?手段なんか選んでられるか、フツー?
で、店入ったんだけど、すげーぐちゃぐちゃしてて全然梨亜見つかんなくて…
でも奥の方で男が女抱きかかえてるの見て、怪しいなって思ってそのままついて行った。」

「ちょっと…
だったらもっとあたしのこと早く見つけられたでしょ?」

「それが…そうでもねぇんだよ…。
奥の部屋って結構入り組んでて、俺が到着した時にはお前、もういなかったんだよ。」

「えぇ!?」

「だから手当たり次第探した。とりあえず目の前に広がってる部屋から。つーか梨亜、1階にいなかったし。1階の奥まで行ったら、地下があることに気付いた。
で、地下降りた。」

「ちょっと…!!早く見つけてよ!!あたし、多分その時すっごい気持ち悪かったんだから!!」

「はぁ?俺だって必死だっつの。
でも地下の部屋にも全然いなくて…

だけど…声、聞こえたんだよ。」

「声?」

「『晴輝』って絞り出すように呼ぶ…梨亜の声。」

「え?うそっ…だってあんな小さく…。」

「あんなうるせぇ店で、よく聞こえたよなーって思ったけど、でも本当だから。
本当に…聞こえたんだ。梨亜の声。
で、あのドア蹴破った。あとは逃走するだけ。以上。」


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