君まで2ステップ
俺の頬に添えられた手。
不意に俺の視界が遮られる。

柔らかい…唇の感触…?



「晴輝、ぼーっとしすぎ!!
ってかあたしの前ではいいけど、他の女の子の前でこんなんだったら奪われちゃうんだからね!!唇っ!!
気を付けてよねー!!」

「……。」


何て言うか…
情けない話だけど…声が出ねぇ…。
拍子抜け…した感じ…。



「え?晴輝…?」

「え…あ…。」

「あたしのちゅーにメロメロって感じ?」

「…そんな感じ。」

「なっ…バカ!!」


そう言ってバタンとドアを閉めた梨亜。
取り残された俺。


「あー…俺…何やってんだろ…?
つーか何素直に…。」



梨亜の方が何枚も上手すぎて、俺は全然敵いそうにない。



『他の男に触られたくないなら、晴輝が全力であたしのこと守ればいいだけじゃないの!!違う?』

梨亜の言葉がフラッシュバックする。



「守るよ…梨亜。
梨亜に触れるのは…俺だけの権利だし。」


俺は一人、そっと呟いた。



*『俺の彼女に触れる権利』END*


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