君まで2ステップ

「不安になるから…だよ。」

「え？」

「気持ちが通じ合ったのに確かめるのは不安になるからだよ。
気持ちなんて目に見えない。
まして…晴輝にとって梨亜の気持ちほど分からないものはないんだ。
だから…きっと不安なんだよ。
本当に梨亜の気持ちが自分に向いているのか…ね？」

「不安…。」

「きっと梨亜はそういう不安ってあんまりないと思うけど…。」

「え？」

「だって…梨亜にとっては晴輝から好かれていることがもう『普通』だからさ。
でも晴輝にとっては違うんだ。
梨亜が自分を好きでいてくれることは…きっと、奇跡みたいな…嘘みたいなことなんだよ。」

「嘘…？」

「あ、違うよ？
梨亜の気持ちが偽物とか、そういうことを言ってるんじゃないよ。
でも…晴輝のことが好きなら…きちんと言ってあげてほしいな。
せっかく俺たちは言葉を持って生まれたんだから…ね？」

「…っ…だって…恥ずかしいじゃん…今更…。」

「恥ずかしいのはいつだって誰だって同じだよ。」

「陽パパはもう恥ずかしくないでしょ？」

「そんなことないよ。
まぁ恥ずかしいって言うよりは…緊張する…かな？」

「緊張？」

「うん。何度言ったって慣れないよ。
はるの前ではドキドキするし…今でもね。」

「えぇ!?」