君まで2ステップ
「ちゃんと分かった?
自分の本当の気持ち。」

「え?」

「さっきも言ったけど、晴輝は本当に母さんによく似てるんだよ。
だから、自分の気持ちになかなか気付かない、鈍い子になっちゃってるんじゃないかって心配してたんだ。」

「はぁ?
俺は母さんほど鈍くねぇ!!」

「そうかな?
そんなに大事に想っているのに、それが『好き』って気持ちに結びつかないなんて結構鈍いと思うけど?」


なんかちょっと俺の反応を楽しんでいるような父さん。

そんな中でも真っすぐに見つめてくる父さんの瞳に捕らえられると、俺の本心なんてとっくの昔に見透かされてたんじゃないかって思う。

俺が色々と考えを巡らせていると、目の前にいる父さんが優しく微笑んだ。
そしてゆっくりと口を開く。


「いつか…言えるといいね。その気持ちを。」



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