君まで2ステップ

雨の密室

* * *


もう12月。
なんだか学校も町もクリスマスで盛り上がってる。

まぁ今年も俺には何の関係もないイベントになりそうだけど…。



「晴輝くん!!」

「え?なに…?」

「あの…お話したいことがあります…
今日の昼休み…時間大丈夫ですか?」

「え…あー…うん。」

「ありがとうっ!!じゃあ昼休みに屋上に来てください。」

「うん…分かった。」



ふぅ…とため息をつく。
最近多い、このパターン。



「モテますなーは・る・きくぅ~ん♪」

「顔がキモいよ、愁。」

「なぁ、お前ここんとこモテすぎじゃね?
そりゃまぁ…なんか最近イケメン度増したけど。
なんかあった?」

「何もねぇよ。
でも…参ったな。」

「何が?」

「告白されても…断るしか出来ないから。
毎回…傷つけてるよな、俺は。」

「じゃー誰かと付き合えばいいじゃん。
今日来てた子、可愛かったし。
『彼女います』って答えだったら、案外諦められるもんなんだよなーコレが。
でもお前の答えってさー…いつも『好きな人いるから』じゃん?
それって微妙に諦めきれないんだよ。
まだ付き合ってないんだったら自分も見込みあるじゃんって思うし。」


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