君まで2ステップ
「きゃっ…!!」


そう言って俺の方にぐっと近寄ってきた梨亜。
よく見ると、俺の服の裾を掴んでる。
ふわっと梨亜の香りが漂ってくる。


「え…?何…もしかして…。」


その続きは言えなかった。

だって…




ガタンっ…



「え…?」


エレベーターの電気が消えた。
そして止まる。




「停電…なのか…?
で…止まった…のか?コレ。」




どうやらそう考えるしかないらしい。

雨の中、俺と梨亜はこの小さすぎるエレベーターの中に完全に閉じ込められた。

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