君まで2ステップ
ベッドにはちょっと呼吸が荒い晴輝が眠ってる。
右腕を両目の上にのせたまま…。

近付いて顔を覗き込むと、やっぱり思ってたより赤くて、熱が高いってのが嘘じゃないことが分かる。

あたしはそっと晴輝のおでこに触れた。


「熱い…んだけど…この前より。」


あのエレベーターの中で触れた時よりもずっと熱い気がする。
そう言えば…晴輝はちっちゃい頃から滅多に風邪ひかない子だったけど、でも風邪ひいたときには思いっきり熱が出てたっけ…?



「こういうとこはちっちゃい頃から変わんないのにねー…。」


眠る晴輝に話しかける。
もちろん答えはないけど。


「ん…っ…。」


左に寝返りをうつ晴輝。
目の上にのせていた右腕が落ちて、あたしの手を軽く押さえつける。



「ちょ…っ…!!」


晴輝の手があたしの手を軽くきゅっと上から握る。

こいつ…!!無意識でやってるでしょ絶対…!!


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