イチゴジャム
2013号室…。
大と泊まる部屋。
慣れないワインを飲んだせいか、ふらつく。
「羽…。愛してる」
「大…。」
そっと優しいキス。
大はネクタイをゆるめ抱きしめてくれた。
大のそういうところが好き。
「羽ちゃん、お外みてみー。きれいだよー。」
まるで子供をあやすかのようにあたしの手をとり、
でかい窓へと連れていく。
大も慣れないワインで酔っているようだ。
大は酔うと「羽ちゃん」と呼ぶ。
普段では絶対に呼ばない。
「わー、きれいだね。大ちゃん。」
あたしも小さな子供のように答えてみる。
大はあたしの手を強く握りしめ
「俺、大学卒業して稼げるようになったら、
羽をもう一度ここに連れていく。」
「なんでー?」
あたしは知らなかった。
大の決心を…。