イチゴジャム





その日あたし達は卒業した小学校へと
向かった。



瑛太は信号で車が止まるたびに
キスをしてくる。



時差信号のあるところなんか
とても激しく。



なんかはずかしい…。



顔が真っ赤になったあたしに向かって
「かわいい」「愛してる」いろんな
言葉を言ってきて更に顔が赤くなる。



そして着いたのは22時。



正門の前じゃなくプールがある裏門の
壁の前に車を止めた。



小学生の時ここの壁には穴があった。



今はあるのか知らないけど。



「羽。ちょっと待ってて。」



瑛太が車から出ていき穴を探す。



瑛太が戻ってくる。



「なかった。」



少ししゅんとしたあたし。



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