ありがとうを…キミに。
「ごめんね、送ってもらって」


「別にいいよ」





「あのさ、」

彼女は突然、立ち止まった。



「どうした?」

俺は後ろを振り返った。





「ほんとは、知ってたんだ。柚流くんのこと」



「えっ?」



俺は彼女と向き合ったまま、驚いていた。


「今日も真波に頼んで、柚流くんたちと会ったの。私が柚流くんに会いたかったから」

奈々の意外な言葉に何も言えずにいた。



「ごめんね、急にこんなこと。今日はありがとう。楽しかった。もし良かったら、また会ってくれる?あっ、4人でもいいの。じゃ、ここで大丈夫だから」

そう言い残すと、走って帰っていった。







俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
















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