空に叫ぶ愛
―――――――…
――――…
――…
「愛ちん、大丈夫?」
「え……何が?」
「顔、暗いばい?ねぇ、空くん」
……そこ、
空に話をふらないで欲しかった。
空は私の顔を見ながら「俺も思っとった」って心配そうな顔をする。
───きゅん…
…って、〝きゅん〟って何だ。
きゅんて。
私、どれだけ空が好きなんだろう…?
自分でも底知れない想いに戸惑いを隠せない。
「愛ちゃん、空ば見つめ過ぎやない?ウケるー!」
私の顔を指差しながら笑う翔を「ウケない!」と叩く。
……照れを隠すため。
癖になりつつあった。いつの間にか空を見つめる、というたちの悪い癖。
「愛ちゃんって意外と暴力的…」
そう言った翔を再び叩いてやったのは、言うまでもない。
翔はうるさすぎ。
「そこ、うるさいぞ!」
…ほーら、怒られたじゃない。