空に叫ぶ愛
木と木の間からこぼれる日差し。


その日差しに反射して輝く川の水。



「よーし、遊ぼうぜー!」



そう叫ぶと靴と靴下を脱いでズボンの裾を捲し上げて川に入る翔。


空も若菜も脱ぎ始めた。


ここ、空と激突した後に来た川だよね?


そんなに経ってないのに、もう懐かしく感じる。


お姫様抱っこでここへ来て、

おんぶでここを後にした。


そうそう。

空は顔を真っ赤にしておんぶを嫌がったんだっけ?


思い出すと笑える。



「なん笑いようと」


……空。


「ひみつ」



私が笑いながら言うと空から「ケチ」と笑顔で頭をこずかれた。


言えないよ。


空との思い出を思い出してて笑ってた、なんて。


恥ずかしいもん。
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