空に叫ぶ愛
「はぁー…疲れたな」


「翔、はしゃぎすぎやけん」


「うわー!みんな、びしょ濡れ!」


「こんなにはしゃいだの生まれて初めて」



みんなはしゃぎ過ぎて疲れたのか、大きい石の上に座って休憩中。


私は石の上に手をつき、空を見上げる。


綺麗な夕日…


空はすっかり茜空だ。


ドサッと視界を茜空から真っ暗な世界に変えたのは柔らかいタオルだった。


それを咄嗟に手でどける。



「風邪ひくけん」



そう言ったのは空だ。



「あ、ありがとう…」



──ドキドキドキドキ…



あぁ。


優しくされると

どうしようもなく


……嬉しい。



私はありがたく空から受け取ったタオルで体を拭いてゆく。
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