空に叫ぶ愛
夏の暑さをうちわで扇いで誤魔化す日曜日の昼。


風鈴はびくともしない。



「愛、勉強教えて!」



あー、暑い。



「お願いやけんっ」



扇風機の前に移動する。


そしたら空も一緒に移動して来た。


空まで来たら、

移動した意味ないじゃん……



「シカトせんで」


「やだ」


「なんで?」



空と一緒にいたくないから。


なんて言えないけど。



できるだけ一緒にいたくないの。


この想いが膨らんじゃう。

この想いは募っちゃいけないの。
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