空に叫ぶ愛
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あれは今日のように暑い夏の日。

今から10年前。俺がまだ6歳の時だった。



「海!遊んで!」


「わかったけん、外で待っとき?」



学校から帰って来た海に飛びつく僕。そんな僕を笑顔で受け止める海。


「早よしてよ」と言いながら僕は海に言われた通りに外に行く。


まだかな……


蝉の鳴き声がうるさい午後。


海を待っていると僕の横を通り過ぎて行った一台の車。


無意識にその車を目で追うと島ばぁの家の前で止まって。


ん?


僕はその車が見える位置に移動した。


車から出て来たのは眼鏡をかけたおじさんと、綺麗な女の人と



綺麗で可愛い

女の子だった…────
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