空に叫ぶ愛
川に着くと愛ちゃんの手を離す。
振り返るとポカンとした顔の愛ちゃん。



「いい所やろっ?」


「うん!」



愛ちゃんは笑ってくれた。
僕はそれだけで嬉しくて嬉しくて。


その次の日もその次の日も、愛ちゃんと川で遊んだ。






「愛ちゃん!遊ぼ?」



あれ?


島ばぁの家に行くと、なぜか島ばぁも愛ちゃんもいなかった。


……愛が島ばぁの家に来てから6日目のことだった。


仕方なしに家に帰ろうと玄関に向かった時、焦った島ばぁがいて。



「空っ、愛ば知らんね?!」


「え……知らんよ」


「愛がおらんくなった!」



愛ちゃんが……

おらんくなった…?



考えるより先に体が動いていた。


愛ちゃん!どこ!?
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