空に叫ぶ愛
真っ赤な太陽が沈んで来て、空も少し赤らめていた。


ちょっと複雑な気持ちで空と二人で友美のいるバス停に向かう。


小さく見える友美に胸がドキドキする。


友美は何を今さら言いに、はるばるこんな小さな村に来たの?


どうしようもない不安を和らげるために、空の制服の裾をギュッと握る。


それに気づいた空は立ち止まり、私を見て優しく微笑んでくれた。


大丈夫、まるでそう言ってくれているみたいに。



「こっからは一人で行ってきぃ?大丈夫やけん…」


「……うん。頑張ってくる…」



私はそう言うとゆっくり歩み出す。


友美との距離が縮まるたびに胸の鼓動の早さも比例して早くなる。
< 183 / 374 >

この作品をシェア

pagetop