空に叫ぶ愛
新たに、始めるの。

元に戻ろうとするのではなくて。



「友美…こっちを向いて……」



友美はゆっくり顔を上げて、私を見た。

そして私は手のひらを振り上げて……


───バッチーン!


友美の頬を思い切り叩いた。

友美はびっくりしたように左頬をおさえている。


そんな友美に清々しい気持ちで私は笑ってみせる。




「これで、チャラにしてあげる」




そう言ったら友美は、顔をぐしゃぐしゃにして泣き出した。


友美の頭を撫でてあげる。



「愛……ありがとっ……」



たった一回の大きな裏切り。


でも、それ以前に友美とはたくさんの思い出と強い絆ができていたんだ。




『一人って寂しくない?良かったら友達になろ!』




そうでしょう?
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