空に叫ぶ愛
目を開けて顔を友美の方に向ける。
友美は真っ直ぐ天井を見ていた。



「空くんと幸せになってね?」


「え?」


「空くんなら愛を幸せにしてくれる」



わかってる。

きっと。いや絶対に空は私を幸せにしてくれる。


空の愛はすごく大きくて温かくて。
私をぽっかり包んでくれる。



「今日は来て良かった…」


「また来なよ」


「…うん」



友美の声が震えているように聞こえた。

だけど、あえてつっこまない。


……友美も背負って生きていく。


私を傷つけたという〝傷〟を。


誰しもが何かを背負って生きているんだ。


辛いのは自分だけじゃない。


重さ、大きさは様々。


それでも明日を生きていく……───。



─────…
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