空に叫ぶ愛
第一章*森の中の王子様
田舎の金髪美少年
普通なら学校に行っている時間に私は電車に揺られながら流れる景色を見つめていた。
窓に映る大嫌いな自分のふてくされた顔。
鏡を見る度にため息を漏らしていた。
イライラして鏡を割ったこともある。
でも、もうどうでもいい…
早く死なないかな、私。
早く人生が終わればいいのに。
何度、自分の人生に絶望して失望して泣いて悔やんで枕を濡らしたか。
――…島田 愛
自分の名前も大嫌い。
誰一人として私を愛してくれてる人なんていないのに『愛』だなんて…
惨めにもほどがある。
両親は私を愛していないから、私をおばあちゃんの所に行かせたんだと思う。
きっと今頃、家で私がいなくなったことを喜んでるんだろうな…
そう思うと胸がズキッとウズいた。
…だんだん流れて行く景色が都会から田舎になってきた。
もうすぐでおばあちゃんが住む、福岡の田舎につく。
そして、今日からそこが私の家になるんだ。