空に叫ぶ愛
変わらない世界
窓から暗闇に光る月を見つめている。不気味だけど凄く綺麗だ。
夜風が私の茶色の髪をなびかせる。
金子空。
結局、空はお昼ご飯を食べた後おばあちゃんと談笑を楽しんで帰って行った。
「はぁー」
と、ため息をもらして横目で壁にかかっている学校の制服を見た。
明日から学校か……
はっきり言って、私にとって学校は憂鬱にさせる材料でしかない。
――勉強なら家でやればいいじゃない。
だけど、それじゃあ学校がある意味がない……んだって。
学校は人との“コミュニケーション”つまり人との“付き合い方”を学ぶ場でもあるみたい。
より人付き合いが上手くできるように。
社会に出ても人付き合いに苦労しないように。
……だから、学校は嫌いなんだ。
人は自己中心的で、常に他人より自分が上でないと気がすまない生き物だ。
だったら、
最初から人と関わらなければ争いなんてなくなる、と思わない?
他人のことを知らなければ、その人が自分より上なのか劣っているのかわからない。
……争いは生まれない。