空に叫ぶ愛


友美はバスの一番後ろに行くと私達に手を振る。


それに応えるように手を大きく振った。



「あーあ、行っちまったな……」



ポツリと翔が呟いた。


しばらくして4人並んで私の家に向かう。



「空!愛ちゃん家についたら腕相撲しようぜ!」


「いいけど、負けんけん」


「はー、ムカつく~」



じゃれている二人を見て、さっき浮かんだ疑問を思い出した。



「二人って仲直りしたの?」



そう聞くと空と翔が顔を見合わせた。



「したけど…な?」


「おう!」



ふーん。そうなんだ。

そういえば。



「ケンカの理由は?」


「お、教えねぇよ!!」


「なんで?」


「なにがなんでも!!」
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