空に叫ぶ愛
なにそれ。


顔を真っ赤にした翔とバツが悪そうな顔をした空。


若菜もわけがわからないって顔をしている。



「教えてよ~」


「男の問題なんだから女の愛ちゃんにはわからんって」



そう言って誤魔化す翔。

翔から聞き出すのを諦めて、空を見る。



「俺が翔との約束を破ったけん……かな?」



そう言って、それ以上詳しくは教えてくれなかった。


もう、いいや。


また、前みたいに戻れたんだから。


友達……に。



「愛ちゃん、すねた?」


「すねてない!」


「嘘やんっ、すねとるやないかーい!」


「うるさい!」



軽く言い合いをして。

それを見て、みんなが笑って。


みんなが幸せそうに、嬉しそうに。


 ───…笑う。


それが私達の〝かたち〟



真っ赤な太陽に真っ青な空。
それに、真っ白な入道雲。



本当の〝友情〟に気づいた15才の夏。
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