空に叫ぶ愛
暑いのに。

もっと、熱くなる……



「照れとん?」


「うるさいからっ……」



わかってんなら、言わないでよ。


空に背中を向け、体育座りをした私は膝に自分の額をくっつけた。



「好きやけん……」



わざと。

わざと空は私の耳元で囁く。


色っぽい声で……



「好いとーよー?」


「あー!!やめてーっ」



そう叫んで立ち上がり、耳をふさぐ。


たえらんない!

空って、何者なわけ!?


そう睨んでも、空は大声をあげて笑っていて。


くそー…

なんか悔しい……



「ばか!空って本当にばか!」





 ──暑い、熱い夏の日。


二人の笑い声が心地いいと感じた。
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