空に叫ぶ愛
篠山さんがニヤニヤしながら私を見てくるが、それは無視しとく。


……何事もありませんように。



「みんな、おはよう!」



浜田先生が勢いよく教室に入って来るのを横目で見ながら窓の外を見る。


9月になったけど、

田舎の夏はまだまだ暑い。


そんなことをイライラする頭で考えていると、教室がいっきにザワザワうるさくなった。



「また転校生!?」



その翔の声を聞いて前の教卓を見る。


あ……


浜田先生の隣にいる綺麗な顔をした金髪の彼と目が合う。


……さっきの金髪くんだ。



「あ……天使発見」



ニヤリと笑う彼のブルーの瞳は完全に私を見ていて。


彼の視線をたどるように、クラス全員が私に注目した。
< 223 / 374 >

この作品をシェア

pagetop