空に叫ぶ愛
私は眉間にグッとシワを寄せた。



「天使って、なんや……」



空の不機嫌な声が聞こえたかと思うと、空は金髪くんを睨んでいた。


……ホント天使ってなに。



「こら、こっち注目!」



浜田先生の声によってみんなの視線が私から外れていく。


前途多難な予感……



「長谷川ナイト。父が日本で母がイタリアのハーフです。よろしくね?」



よろしくね、のところでウィンクする必要はないと思うんだけど。


苦手というか

キライな部類の人間だ。



「愛ちゃん、ウケるー。そんな露骨に嫌な顔せんでも」



あはは、と笑う翔をバシッと叩くと頬杖をついて外の空を見る。
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