空に叫ぶ愛
胸が痛い。心が、痛い。


ナイフでグサリと刺されたかのよう。



───…その時!



少し乱暴に、

またあの甘い香りに包まれた。


それにビックリした私は動きも思考も止まってしまって。



「僕にしときなよ……僕なら天使をこんなに泣かせたりしないからっ……」



え……?



「金子を想っててもかまわない。徐々に僕を好きになってくれれば、僕はそれで……」


「やめて!!」



耳を塞ぎ、聞きたくない愛の言葉を耳に入れないようにする。



やめて。



空の代わりなんかいない。

空の代わりなんて要らない。


あんたに空の代わりなんかできない。



この恋に、代役なんてないのよ…
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